高志森微博 第一回ゲスト:許冠文A

2012.01.22 Sun


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高:構想を練る上ではどうですか?映画の脚本を書く時は起承転結がありますし、
キャラクターの性格の衝突もあるでしょう。でも、スタンダップ・コメディはそうではない。
それは、あなたをそのものであって、あなたの見解を述べるわけですからね。

許:映画の方が難しいですね。映画の脚本は、その構造自体がずっと複雑ですからね!
物語の内容だけでなく、起承転結にも注意を払わなければならない。
またそれでいて、そう簡単には予測できない展開でなければならない!
高:予想外のね!
許:予想外の展開を考える他に、登場する多くの人物のキャラクターについても、
その性格が突出していなければなりませんからね。一方今の私は、
自分にだけ注意を払えばいいので、何を言ってもいいわけです。
見て感じた事を、そのまま言えばよいので、アレコレ配慮する必要もない。
だから全然違いますよね。


高:以前、あなたが香港コロシアムでショーをした時、
私の印象に深く残っているのが、あなたの最後の結論です。
それは奥様との付き合い方に関する事で・・・
許:はい
高:行きつく所まで行ったら、相手の過失を深くとがめずに大目に見てやり、
過ぎ去った事はもう追求しない。これはある程度、
男女関係に対するあなたなりの一つの総括なのですか?
許:スタンダップ・コメディのショーは、とても長いですからね。
もし数分間程度のトークでしたら、Barで酒を飲みながら語り合うような内容で構いませんが、
二時間に渡るショーともなると、やはりそこに一つの総括が必要であるべきだと
私は思うんですよ。ただ、その総括と言うのは、その時その段階でと言う事です。
香港のお客さんんとは一〜二年ほどお無沙汰していますが、
今、スタンダップ・コメディを披露するとしたら、最後の総括と言うのは、ショー全体を含むので、
私のこの世界に対する今の見方がこうだと言う事であって、
おととしや昨年の見方とは異なるかもしれません!でも、今年、今の考えはこうなんです!
一方、男女関係についてですが、私の妻は、私が一生彼女を騙し続けているに違いないと、
よく文句を言うのですが、「そんなに言いなさんな!」と私は妻に言ってるんです。
時はあっと言う間に過ぎ去り、私ももう70になるだぞと。
しかも私はこの一生を掛けて君を騙し続けるんだから、君も満足だろう!と。
高:アハハ!
許:こうやって言うと、妻も何も言えなくなって・・・。
高:アハハ!
許:私は、これはとても道理に適っていると思うんですよ。
人は皆、完璧ではないわけでしょうが!
高:はい
許:一生を掛けて騙そうと言うんですよ!たとえあなたを騙していたとしても、
私にはこの一生しかありませんから、それを使ってあなたを騙そうと言うんですよ。
高:反論の余地はありませんね
許:将来、私はこの方面についてのスタンダップ・コメディをやりたいんです。
テーマは、この方面に関するもので、つまり、男女関係と言うのは、実にデリケートな問題です。
永遠に矛盾し合っても、永遠に争いが耐えなくても、それでも最後は皆こう思うんです。
こんなにも長い年月が過ぎたんだから、
例え君を騙したとしても、逆に騙していなかったとしても、
或いは、ほんのちょっぴり騙した事があったとしても、全てが嘘だったとしても、
一生を掛けて騙し続けるんだから。それに、他の人ではなく、どうして君だけを騙すのか、
それがどういう意味だと思う?私が思うに、それは君が好きだからに決まってるだろう!
それなのに、まだあれこれ考える必要があるだろうかって。
この観点を以って考えてみると、夫婦であろうが、恋人であろうが、
ある程度の時間を共にした仲なら、お互いに気に入るモノがあるハズでしょう!
お互いに気に入る部分がある、縁と言うのは玄妙なものですよ!
それが分かれば、それ以上のものなんてないと思えるはずです。
これこそが、私の婚姻、愛情に対する哲学なんですよ。
トークショーの方向性も、この哲学を基にしたものです。

高:男女にまつわる話が殆どですか?
許:唐英年もそうだったように!唐英年が公開の場で過ちを認めた時、
彼の奥様は微笑みながら、彼を許したそうです。
こう言う夫婦間の情けは深いですね。完璧な人なんていないのですから、
どうして完璧な人を求めようとするのですか!
高:だから彼のあだ名は、『缺失男(欠点男?)』と言うんですよ!
許:ア〜ハハハハ!
高:彼には失敗がありますからね
許:(笑)


高:若い人の中には、自分の恋愛の体験談を公の場で分かち合いたい
と思う者が多いですが、でも、マイケルぐらいのレベルに達した者が愛について語ってこそ、
刺激があると言うか、議論の価値があると思うんですよね!
許:(笑)
高:経験の数が違いますからね。それに、私が思うに、マイケルの面白い所は、
あなたが出演する哲学的な談話や、インタビュー番組、或いは、
友達と集まって話をする時、あなたは一言目にはいつも奥様の話を持ち出しますよね。
許:ハハハハハ!

高:どうしてそれほどまでに奥様の話をするのが好きなのですか?
後で奥様に恨まれたりしないのですか?
許:ありましたよ!
高:え?じゃあ怒られたんですか?
許:最初の頃は、妻の事をネタにしないでくれと言われましたね。
私の母にしてもそうです。それも時間が経つと、私がなぜ彼女の事をネタにするのか
理解してくれましたが。私がネタにするのは、だいたいキマっているんですよ。
他人の事を持ち出したりはしません。たいてい、妻か、許冠英か、
時には、娘の事を持ち出す事だってありますよ。少ないですが。
でも、他人をネタにしたりはしません!

高:OK!では、そのコダワリとはいったい・・・
許:それは、私の話には、皮肉が多いからですよ!
でもそれは、その人一人の事を指しているのではなく、
実は、多くの人がそうなんだと言う事なんです。
iPhoneを持つ事で得意気になる人が沢山いますが、
iPhoneだって、単なる携帯に過ぎないんですよね。
それなのに、iPhoneを取り出す度に見せびらかしたり、
そのためには、夜中に並ぶのも価値があると思う人が沢山いる。
高:アハハハ!
許:我々は皆誰しもそう言う所があるんですよ。ただ、私の場合は、
許冠英がiPhoneを買った後、それを機に彼を代表としてネタにしたワケで!(笑)
私の妻が購入すると、使わない時はテーブルの上に置いておくだけなのですが、
特にホワイトのiPhoneだと、コップの隣に置いてあるとよく映えるんですよね。(笑)
だからホワイトのiPhoneじゃないと恥ずかしくて電話を掛けられなかったりとか。
実は、多くの人がそうだったりするんですよ。
でも、他の人の事をネタにすると、彼らから反感を買うでしょう。
文句を言われるのは恐いので、必ず身内の事しかネタにしないようにしているんです。
妻ならひどく責められる心配はないですからね!
高:まだ家の中で告発された方がマシだと!(笑)
許:以前は、許冠英のことをよくネタにしてからかったりしたものですが、
実は、必ずしも許冠英の事を言っているわけではないんですよ。
彼は、普通の人を代表しているだけで。それに許冠英だったら、
ネタにされても怒ったりしませんからね。単なるジョークに過ぎないって知ってますから。
だから、この話になると・・・・・・許冠英はもういませんから、とてもツライんですよ。
今後は一緒に舞台に立てないだけでなく、皮肉を言える相手が一人減ったわけですからね!
ハハハ!
高:(笑)ちょいと拝借できる相手が一人減ったわけですね!
許:そう拝借!(笑)

高:娘さんは?娘さんをネタにするのは、またどうしてですか?
許:彼女の年齢ですよ!もし男性だったら許冠英を用いますし、
年配の女性だったら妻を使い、もし若い女性が必要だったら、私の娘を使うんですよ!
高:イマドキの香港女性の代表ってわけですね!
許:そうです!イマドキの!もし少し若い男性が必要ならば、アナタを使いますよ!アハハ(笑)
高:・・OK!いいですよ!私は構いませんから!(笑)

許:これは私だけではありませんよ。
全世界のスタンダップ・コメディのパフォーマーたちは皆、
普通こう言う手法を使っているんですよ。第一人称の発言の方が真実味がありますし、
また、ネタにする相手の名前を言わないと生き生きしませんし。
「私の代わりにご飯を用意してくれる人が作った料理は、とてもショッパイんですよ!」
と言う風に言ったとしても、説得力に欠けるでしょう!
それを、「私の妻が作る料理はショッパイんですよ」と言ったとしたら、
高:あぁ〜!
許:妻の名前を出しただけで、説得力が違うでしょう!


高:スタンダップ・コメディには、何種類かのスタイルがあるそうですが、
あなたが尊重しているのは、中でもある意味一番純粋な、
最もシンプルなスタイルみたいですね!つまり、変わった事をしない、
ただ立ったまま話すだけだから、トークの内容とパフォーマンスの腕に掛かってくる。
ひいては、大掛かりなセットがあるわけでもなく、それでいて万人が入る大きな会場は好まず、
二千人ぐらいのコジンマリとした所が好きときた。
今後も、あなたののスタンダップ・コメディは、このスタイルで進化させていくつもりですか?

許:まず、私はこれまでに自分のスタイルを変えた事はありません。
なぜなら、私が一番尊重しているのが一番伝統的なスタイルだからです。
スタンダップ・コメディの意味は、一人で登場し・・・
高:何の小道具も使わず
許:スタンダップ・コメディとは何か!それは、こうしてずっと立ちっぱなしで、
衣装を変えるわけでもなければ、小道具も持たず、
要するに、マイク一つで立ったまま笑いが取れることです。
私は、この伝統的なスタイルが好きなんですよ。
それだけ難易度は高くなりますが、真実味がありますし。
私のように、物事を観察してから自分の意見を伝えると言うタイプには、
メイクする必要もありませんしね。自分が見た事を話すだけですから。
例えば、私の妻が携帯を手に取ろうとする時によく見かける光景なのですが、
バッグの中に入っている携帯を取ろうとしても、なかなか見つからないんですよ。
なぜなら、女性のバッグは、大き過ぎて全く“理屈”にに合ってませんからね。
高:(笑)
許:何度もバッグをひっくり返しては探してみるものの、何分経っても見つかりやしない。
また、やっと見つかった時には着信が切れてしまい、相手に文句を言ったりね。
「こんなに早く切っちゃうなんて!」って。
「何を言ってるんだ、三分も探していたのは誰だ!」って私は言うんですけどね。
高:アハハハハ!
許:全てが私がこの目で見た事なんです。女装して話す必要なんてないでしょう!
私は、黄子華のスタイルと少し似ている部分があるのですが、嬉しいですね。
香港にも沢山のスタンダップ・コメディの達人が出てきたわけですから。
ただ皆それぞれスタイルが違うだけで。例えば、林海峰は唱を歌うのが好きで、
宙返りして見せたり、スタイルがいいですからね。かと思えば、
張達明(チョン・ダッミン)の場合は、一人芝居が好きだったり。
高:そうそう!
許:ちょっとした小舞台なのですが。
高:私は彼の舞台をプロデュースをしたことがありますから
許:一人芝居にしても、身体を張ったクンフーであったり、ダンスであったり、
私は何だっていいと思うんです。マジックだっていいんですよ。
別に純粋なトークだけでのスタイルでなくてもです!

高:きっと皆さんも期待していると思いますが、映画の次回作だけでなく、
許冠文の今後のスタンダップコメディにも引き続き注目しましょう!

(日訳:管理人
Baakkei

※動画はこちら⇒ @A (firefoxでは視聴できないかも!
youtubeにも一部だけ?アップされています!

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