“愛”を分かち合う - 許冠文

2012.02.15 Wed

2012210日発刊の香港のフリーペーパー『AM730』に、
許冠文(マイケル・ホイ)先生の特集記事が掲載されました。

210日と言えば、マイケルのチャリティー・トークショー
『男女戦争』が勃発した日でもありました。
と言うことで内容は勿論、チャリティートークショーに纏わる話。

よって、一部、以前ご紹介した内容と重複する箇所も
あると思いますが、そこら辺はご了承ください。(笑)

m.hui20120409-1.jpg
※「AM730」より

以下訳文になります。



分享 大愛 許冠文

11は、いくらになります?」と、許冠文(マイケル)が問う。
筆者が答えに迷っていると、彼は先に自分でこう答える。
「男性は、そのまま“2”と答えるでしょう。
一方、女性は、“あなたはもう私の事を愛していないの?”
と逆に聞き返してくるハズです。女性が退屈そうにしているのが嫌だから、
こんなクダラナイ問題を投げかけるのではないかと」

明確、且つ鋭い(的を得た)答えである。
私はすぐさま、チャールズ・チャップリンが嘗て言った言葉を連想した。

「ユーモア感のある人は、たいてい人格が人並み勝れているものだ。
自身の力を感じることができ、どんな苦境も自分独りで乗り越えられ、
人気者である。」

今、私の目の前にいるマイケルは、まさにその生き写しではないだろうか。
彼によって巻き起こされる『男女戦争(スタンダップ・コメディ)』は、
まもなく尖沙咀(チムサーチョイ)にある文化センターで行われる。

ショーの収益は全て、香港の慈善団体
『生命熱線(訳:いのちのホットライン)』に
寄付されることになっている。
と言うことは、インタビューを受けたのは、チケットの売れ行きのためなのか?
いや、そうではない。『男女戦争』のチケットは、もうとっくに完売しているのだから。
マイケルは、ただ「愛」のメッセージを皆と分かち合いたいのである。

文:Yoki Lee 写真:韓修夫@何陸陸
協力:生命熱線(2382 0000)    場所:
Gossip Pantry


■ボランティアなら喜んで!

マイケルと言えば、ジョークがお好きなのは皆もご存知の通りだが、
自身のスタンダップ・コメディを通して、慈善団体を支援するための
募金を募るのは、何も今回が初めてではない。
では今回、“寄付先団体”に協力する事になったのは、
どのような理由からなのだろうか。

「ここ数年、様々な場所でスタンダップ・コメディを行ってきましたが、
最初は、純粋に個人の趣味でした。
それが後に、自分の心境の変化に気づいたのです。
社会のために何か貢献できるような事がしたい、と。
すると偶然にも、高志森(クリフトン・コウ)が、昨年の2月、
私が赤十字のために開いたチャリティー・トークショー(※1)を観ていたんですよ。
それで、『生命熱線(訳:いのちのホットライン)』と言う
命を救うことができるボランティア団体のためにも協力できないだろうかと
聞かれたんです。私は勿論喜んでやりますよ!
そしたら、観塘(クントン)にあるオフィスまで見学に連れて行かれたんです。
オフィスの中はとても小さく、10人分ほどの座席しかありませんが、
助けを求める人の電話をボランティアの方が24時間体制で受けているのです。
また、電話を掛けてくるのは皆、生きる事に絶望を感じていたり、
もう後がないと思っているような人ばかりです。」

1・・・2011216日、マイケル・ホイは、香港コロシアムにて、

一回限りのスタンダップ・コメディ《許冠文棟篤笑2最後警告》を開いた。

奥様の誕生日プレゼントに何かイイ事をしてあげたい、と思ったのがキッカケだそうな。


「それまで“電話を受ける”と言うのは簡単な事だと思っていました。
まさか人の人生の最期を左右する要になるとは思いもよらなかったのです。
座って電話相談にあたっている方たちは皆、予め8つもの養成課程
を受けなければならないそうです。実際、助けを求めている人の多くが、
身近にいる親しい友人には苦衷を打ち明けたがりません。
一つには、解決できない問題だと思っているから。
そして二つには、相手に迷惑を掛けたくないから。それならば、
見ず知らずの赤の他人に打ち明けた方がずっと安心だと思うようです。
肝心なのは、その方たちが自ら電話で打ち明けたいと望むこと。
相談員のボランティアは、友達のように注意深くあなたの話に耳を傾け、
気に掛けてくれます。また、問題提起をする事によって、
相手の心の中に隠れた解決策を探り出すのです。そうすることによって、
相手の自殺願望を軽くし、生きる事への自信を取り戻させるのです!
また、助けを求めている人(利用者)が、ボランティアに対して何らかの感情を抱き
必要以上に頼ったり、誤解を招かれないように、毎回ボランティアは、
同じ利用者を受け持つ事のないよう注意しなければなりません。」

統計によると、生命熱線(いのちのホットライン)を求める利用者は55%を超え、
その全てが男女関係によるものだそうな。夫婦の浮気による争いだったり、
男女間の友情における騙し合いだったり、旦那の両親・嫁姑問題、父母子女(親子)、
兄弟姉妹、上司、同僚間の矛盾衝突・・・等々。こういった様々なケースによって、
インスピレーションを掻き立てられたマイケルは、『男女戦争』と言う名の
チャリティがテーマのトークショーを行う事に決めたのである。

「“聞く”と言う行為は、男女戦争において、最も効果的な対策になります。
私の場合ですと、妻の機嫌を損ねてしまいケンカが勃発する時はいつも
じっと黙って、とりあえず妻に好きなだけ砲弾を撃たせてやるんです。
思う存分鬱憤を撒き散らした彼女はいつも、自然と全てが元の状態に戻るんですよ。
だから、何かを解決する必要なんてないわけです。ここからも分かるように、
雄と雌の戦争において、女性と言うのはですね、いつも話が非論理的なんですよ。
感情だけに重きを置いて話すわけです。だから男性はですね、全て論理的思考に従い
理性を持って行動をすればよいワケなんです!」


■心理状態が、一切を決定する

「私は人と接する時であれ、何かをする時であれ、
いつ何時でも、一つの目標をあくまで貫きます。
以前なら、映画制作がそうですが、現在で言うならば、
スタンダップ・コメディもまた然りです。
先ずアイディアが浮かぶと、自分自身に面白いかどうか尋ねるのです。
その後、観た人が、映画館、或いは劇場から出てくる時に、
今日の命(人生)は、昨日よりも素晴らしいと思えるようになったかどうか、
以前よりも生きたいと思えるようになったかどうかを考えるわけです。
生命(人生)と言うのは、元々とても悲惨なものです。
ただ、自分が窮地に陥ってしまったと思った時に、考えてみるんですよ!
この世と言うのは、自分が消えてしまったからと言って変わるもんじゃない、と。
唯一つ変えられるとしたら、それは自分の“気の持ちよう”です。
ユーモア的視点で世界を見る事を覚えれば、新しい局面が見えてきます。
それはまさに、私が心理学を学んだ時に出会ったある代表的例文のように・・・。
“一杯の水があなたの目の前にあります・・・
あなたは、そのコップに入った水が、半分に満たされた状態だと思いますか?
それとも半分に減った状態だと思いますか?” 
ネっ!この事からも分かるハズです!
気の持ちようで、全てが変わると言う事ですよ。」


■スタンダップ・コメディには、公式がある

“スタンダップ・コメディのパフォーマーになるには、
必ずしも“笑い”を心得ていなければならない”と言うわけではないと
マイケルは考える。その代わり、しっかりした個人の立場があり、
独特の見解を持っている事が必要だと。
注意深く日常生活の細部を観察し、そこから興味深い面白い所を見出すのだと。

「例えばですね、毎回私の妻は、大きなバッグを提げて
ショッピングに出かけるのですが、携帯が鳴った時にはもう
大海原の中から一本の針を探すような事になるんですよ!
こう言うのは、男性には全く理解できない事で・・・・
と、まぁこう言う例がまさに創作する上での良いアイディアになるわけです。
パフォーマーは、必ずしも弁が立つ必要なんてありません。
しかし、伝えたい事を表現する能力がなければなりません。
または、できるだけ、最近起きたホットな話題をチョイスする事、
或いは、普段から皆が触れる出来事である事。
更にはそれが
78割の割合で、その範囲内であれば、最も理想と言えるでしょうね。
“財爺(あだ名)”こと、
財政長官の曽俊華(ジョン・ツァン)の
ちょっと前の広告を覚えていますか?
なぜ彼は、数字の歌を歌うだけで、何も語らなかったのか!
それはですね、
彼の任期中、最後の仕事である財政予算案ですが、
彼が何を言った所で非難されるのがオチ。だったらいっそのこと、
テキトーに数字でも口ずさみ、うやむやにケリをつけようと思ったわけですよ!」


■許冠英

許冠英(リッキー・ホイ)が昨年この世を去った。私はマイケルに聞いてみた。
今回のトークショーの中で、弟を追悼する一幕も考えているのだろうかと。
すると彼はこう答えた。

「そのような構想も確かにありました。しかし今は、それはないでしょう。
あの日からずっと、私の心情は未だに平静を取り戻していませんので。
Sam(許冠傑)が、今年コンサートを開きます。
恐らく、彼を偲んで
リッキーの曲を歌うことになるでしょう。
その瞬間は、我々三兄弟がまた、
同じステージに立つことになります。
『無情夜冷風』と言う歌、聞いたことあります?
♪無情夜冷風,吹散熱情夢………♪
リッキーの歌は、いつだって悲観的なんですよね。」

そう言って、口ずさみながら、目に一杯の涙を溜めるマイケルだったが、
直ちにまた本題に戻り、こう話してくれた。

「スタンダップ・コメディは、最初からずっと映画のようなものなんです。
私にとっては、“娯楽”と言うそんな単純なものに留まらず、社会に対する責任であり、
またそこには、メッセージを発信する意義があると思っています。
だから今日、こうやって私もボランティアの一員になれる事は、
私にとって光栄な事であり、大変誇りに思っているんです。」

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 日訳:管理人
Baakkei
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COMMENT
あまりにもタイムリー、あまりにも深い話なので、

またエイティーズに転載してもよかですか?
Posted by きんこん at 2012年04月10日
★きんこんさん

転載、よかです!^^

>あまりにもタイムリー
だから焦っちゃうんですよ、翻訳。
内容によっては、早くアップしないと
意味がないものもあるので。(´▽`;)
Posted by Baakkei at 2012年04月10日
ありがとう!いつもありがとう!

タイムリー、って書いたのは、実は別の意味で(笑)

エイティーズに理由を書きます(笑)

Facebookにも書いたけど、翻訳はご自身のお好きなペースで良いと思いますよ。

訳さない記事は、訳す必要が無かった、そんなご縁だ、ぐらいの気持ちで

よかですばい。
Posted by きんこん at 2012年04月10日
マイケルさんがあの日以来平静さを取り戻していなかったなんてショックです。

自分より先に弟が先に逝くのは信じられなかったですもの…。
それより阿Samのライブの成功を遠い日本から祈っています。

サムさんライブで泣かないといいんですが…。
Posted by よーこぶー at 2012年04月10日
★きんこんさん

いやぁ〜そう言うタイムリーだったとは・・・。
やられちゃいました。(笑)

このマイケル論、私も夫に読んで聞かせねば。
私の場合も怒った時は、
ただただ静かに聞いて貰うだけでスッキリします。
あと・・・最後に慰めてくれたら完璧ですね!(笑)
Posted by Baakkei at 2012年04月13日
★よーこぶーさん

>マイケルさんがあの日以来平静さを取り戻していなかったなんてショックです。

私もです...
周りから、「マイケルなら大丈夫!」
と思われる立場と言うのも辛いですね...

>サムさんライブで泣かないといいんですが…。
心理状態・・大丈夫ですかね。
でも、感情を抑えるよりは泣いたしまった方が
楽になるかもしれませんね。
私も台湾からコンサートの成功をお祈りしたいと思います☆
Posted by Baakkei at 2012年04月13日

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