『鬼馬雙星』の主題歌誕生について

2012.09.07 Fri

鬼馬雙星』の主題歌誕生の“キッカケ”について、
マイケルさんが語るエピソードは、
こちらでご紹介した通りですが、

実は、まだ他にエピソードがあるようで・・・。

それは、許冠文説に対して、“劉天賜説”
ここでは称する事にします。(笑)

私はこの“劉天賜説”を、黄志華さんのブログで知ったのですが、
黄志華氏自身も、どうやらこの『明報周刊』に書いてあった、
許冠文先生の特集記事をご覧になったらしく、その際、
劉天賜説とは異なる“新しい”マイケル説に興味を持ったそうな。

因みに、黄志華氏が指摘する“劉天賜説”は、
俊雄著作の『此時此處許冠傑』に記述されているそうですね。

その中の6869ページに、その問題の内容が記述されているらしく、
簡単にですが日訳してみました。



  “ホラー”映画の作家としても知られる劉天賜は、
この二つの歌(雙星情歌、鬼馬雙星)の“出産”に立ち会ったと言う。
それは、九龍塘のある廃屋で『鬼馬雙星』の撮影をしていた
ある日のことだそうで、彼はこう話す。

「ここは元々李小龍が住んでいた家なのですが、
スタッフがちょうど照明のセッティングをしていた時のこと、
二階の元李小龍の寝室から時々ギターの音色が聞こえて来ました。
許冠傑は、照明の準備をしている合間を縫って、ギター抱えて歌っていたのです。
彼は既に幾つか音符を書き出していました。
サムは、私とプロデューサーの薛志雄(ルイス・シット)の手を引くと、
『鬼馬雙星』の主題曲に歌詞を付けたいからと言うので、
我々も軽い気持ちで一言二言
詞を加えることに。確か、『鬼馬雙星』の出だしは、
許冠傑が笑いながら適当に口ずさんで出てきたものです。
“做老千好過做皇帝……(皇帝になるよりイカサマ師やってる方がイイ)”って。」

※正確な詞は、“做老千梗好搵過皇帝”
(皇帝になるよりイカサマ師やってる方が暮らしはずっとイイ)


  
  一方、この歌のキッカケについて、許冠文もまた記憶に新しいようだ。


「私が『鬼馬雙星』を撮っていた時、撮影の合間、
ちょっとカジノで暇をつぶした事があったんです。

負けてホテルに戻ってくると、阿Samに「また負けたの?」と聞かれたので、
私が「そうさ」と答えると、彼が笑いながらこう口ずさんだのです。
“不要緊,為兩餐乜都肯制前世
(大した事ないさ、食べるためなら何だってするぜ 前世の罪だ”)”
それから、この歌を書いたんですよ。」

※文中の注釈によると、許冠文のこの説は、
2004年商業電台の『茶裡的篤撐』で、
許冠文にインタビューした時に語られたものだ、となっている。


以上、ここまでが黄志華氏のブログに記載されている内容です。

こうして見比べてみると、
マイケルさんがラジオで語った“2004年許冠文説”、
明報周刊で新たに語られた“2012年許冠文説”、

そして、“劉天賜の説”と、
それぞれ微妙に異なります。

黄志華氏も、これらの説について、
いったい誰の何時の記憶が正しいのか・・・
機会があれば、いや、ぜひ許冠傑本人に確認してみるべきだ
と語っております。ひょっとすると、
また全く別の説が出てくるかもしれないと。(笑)

ただ、これについて、黄志華氏の興味は、あくまでも、
“創作する上で、詞と曲、どちらを先に作るか・・・”にあるようで、
許冠文説が正しいとすれば、許冠傑の『鬼馬雙星』は、
“詞が先、曲が後”と言うパターンで作られた事になる、との事。


これは私の勝手な見解ですが、

どの説も間違いではない、と言う考えもありますよね。
勿論、その場合は、
それぞれの記憶が正しい事が前提になりますが、
その中でどれが一番古い(有力)かは別にして、
どのエピソードも、“誕生のキッカケ”、或いは“創作過程”に
何らかの形で少なからず関わったのかもしれないなぁ、と。

以上、管理人の独り言でした。(笑)

COMMENT
呉俊雄が『此時此處許冠傑』の中で引用した劉天賜の文章について。
「做老千好過做皇帝…」の後に以下の文章が続いています。
「我對填詞外行,又不願意學習,製片老薛卻熱心地研究,不時加入了相當巧妙的曲詞。」(劉天賜著『真的假不了』p65)

老薛は御存知の通り薛志雄のことですが、是非とも薛志雄にも真相を尋ねて欲しいですね。
Posted by 馬場 at 2012年09月08日
「鬼馬」のロケにかのリー師父の旧宅が使われていたんですね。知りませんでした。
ご存知の通りサムさんとリー師父は超の字がつくほどのお友達だったそうで…

そういう経緯でロケに使われたんだと思います。

黄志華さんが「是非許冠傑に確認してもらうべき」とおっしゃったのは正解だと思います。
サムさん本人の記憶力は超人的だと聞いております(サムさんをよく知るファンの方に「記憶がスライドショーのように頭にインプットされている」と言ってました)。

私の頭のHDDもサムさんみたいに超高性能かつ大容量になりたいです。
Posted by よーこぶー at 2012年09月08日
★馬場さん

続きのエピソードがあったのですね。
大変貴重な情報ありがとうございます。^^
>熱心地研究
>相當巧妙的曲詞
さすが薛志雄氏ですね。しかもこれを読む限りでは、
曲のアイディアも出されていたって事ですよね。
もし薛志雄氏に確認する事ができたら、
更なるすごいエピソードが明らかになったり・・・。^^
Posted by Baakkei at 2012年09月09日
★よーこぶーさん

当時のエピソードを何も知らない私にとっては、
ホントどれも貴重なお話ばかりで興味深いですねぇ。

記憶力は勿論そうですし、こういう事はやはり
ご本人に確認するのが一番正確でしょうからね。
でも、こうして色んな方の目線で語られるサムさんのエピソード
と言うのもまた、実に面白いですよね。
Posted by Baakkei at 2012年09月09日
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